転生したら夢愛ドリムで、曲がり角で甘乃あもことぶつかった件
2話「なんてこったパンナコッタ」
前回までのあらすじ
伝説の勇者「凄威 陽彩《すごい ひいろ》」は憎悪と悪夢の神「ユーアールーズ伯爵」との激しい戦いの末、相打ちになった。
目が覚めると凄威 陽彩は夢愛ドリムに転生しており、ふわふわ市立クリーム高校へと向かう途中だった。
道中「甘乃あもこ」と名乗る謎の人物と遭遇した夢愛ドリムは共にクリーム高校へと向かうことに…
「よーし!ついた!ここがクリーム高校だよリム君!」
「ありがとう!あもこっち!おかげで入学式に間に合ったよ!」
「それじゃウチはもういくね!じゃーね〜(´>ω∂`)☆」
あもこっちに手を振り別れを告げ、俺は改めてクリーム高校を見上げる。
「ここがクリーム高校…これから私が通う学校…」
気合いを入れるように小声で呟く
「いくぞいくぞいくぞ…!!」
決意を新たに俺はクリーム高校へと足を踏み入れる。
「おい、ちょっと待てや!テメェしらねぇ顔だなぁ?新入りかぁ?」
「へへっ、兄貴コイツどうする?」
「はっ、決まってんだろ。新入りに俺らの流儀ってもんをたっ〜ぷり教えてやんなきゃいけねぇな?」
「よっ!さすが兄貴!」
下卑た(げびた)笑みを浮かべながらこちらを品定めするように見つめると、やつらは俺の額に銃身を向ける。
「うっ、、やられる…」
その瞬間やつらはニヤッと笑い、辺りには轟音が鳴り響いた
「これは…クラッカー…??」
「へっ、入学おめでとさん。よくこんな辺境の地の高校まで来たな。まぁなんつーかこれから色々あると思うが頑張れよ新入り」
「よっ!さすが兄貴!」
そう言ってやつらはその場を立ち去ろうとする。私は慌ててこう尋ねる。
「あの…!あなたがたの名前は!」
「うん…?」
頭をかきながら彼は答える。
「俺は苦離忌無高校参年《クリーム高校3年》 穴開堂 夏《あなあきどう なつ》ってんだ。でもって
コイツは俺の妹分の弐年 桐株 刃亜無《きりかぶ ばあむ》ていうんだ。
俺らはこの学校じゃ《串刺しの穴開堂様》《切り裂きの刃亜無(ばあむ)》って名で通ってる」
「へへっかっこいいだろ」
そう言うと刃亜無はニコニコと笑い出した
「まぁそういうことだからなんかあったら俺らを頼れよ いつでも力になるぜ!」
「よっ!さすが兄貴!」
そう言って彼らは去っていった。
「うすうす気づいてたがこの学校変な人ばっかだなぁ…まぁ足のない俺が言えたことじゃないが」
「おい!何ボサっとしてんだ!もうそろそろ入学式が始まるぞ!新入生!」
遠くから声が聞こえる。
「あれは…噂に聞く鬼教師 浅田 雷起《あさだ らいき》あいつは遅刻一回で退学にするって噂だ…!!あいつには注意しないとな…」
「聞こえてるぞ新入生!雷落とされたくなかったらさっさと入学式会場に行けぃ!さもなくばお前は退学だ!!!」
俺は浅田に急かされ入学式の会場に入った。
「この人たちが私の同級生になる人なのか…」
周りを見渡すと今朝会った甘乃あもこの姿もあった。
目が合うとあもこっちは元気よく手を振ってくれる。
軽く手を振りかえし改めて正面を見る。
「皆の者静粛に!余がクリーム高校校長の愛洲 苦離忌無《あいす くりーむ》である!
今年は入学試験を突破した者が例年より多かった…故に!入学者を減らすために今から君たちには殺し合いをしてもらう!」
「なに…やっとここまで来たのに…」
「そんな!こんな事って!」
「ちなみに不合格した者が事前に払った学費はすでに余のものだ!異論は認めん!!!」
会場がざわめきだす。
その時私は気づけば呟いていた。
「なんてこったパンナコッタ…」
〜続くかもしれない〜